気管支や肺にできるがんを肺がんと言います。肺がんは1960年代以降急激に増加し、がんの罹患率の中で、男性で第3位、女性で第4位になっています。ただし、特筆すべきは罹患率よりも肺がんで亡くなる方の割合で、男性では第1位、女性でも第2位、男女合計でも第1位と、がんによる死亡原因の部位別トップの座に君臨しています。
肺がんは大きく分けると、小細胞がん(約2割)と非小細胞肺がん(約8割)に分類されます。小細胞がんは肺の入り口に近い太い気管支に多く発生します。一方、非小細胞肺がんは「小細胞がんではない肺がん」の総称で、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなどがあります。肺の扁平上皮がんは、男性の肺がん全体の40%、女性の肺がん全体の15%を占めています。
肺がんの罹患率は人口10万人に対して、一年間あたり男性で124人、女性で55人となっており、男性の方が高い数値になっています。
関連遺伝子 | 説明 |
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TP63 | TP63遺伝子はアポトーシス(細胞自身によって計画された細胞死)に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTC型CC型の場合、肺がん(扁平上皮がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
TERT | TERT遺伝子は染色体末端(テロメア)の反復配列を伸長するテロメラーゼの構成要素となるタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がTG型GG型の場合、肺がん(扁平上皮がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
ROS1 | ROS1遺伝子はタンパク質チロシンキナーゼ受容体の一種を産生する遺伝子であり、細胞のがん化と関わりがあると考えられています。この遺伝子がAA型AC型の場合、肺がん(扁平上皮がん)の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。 |
VTI1A | VTI1A遺伝子は細胞内の物質輸送に関与するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAA型AG型の場合、肺がん(扁平上皮がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
SLC17A8 | SLC17A8遺伝子は神経伝達物質であるグルタミン酸をシナプス小胞へ輸送するタンパク質を産生する遺伝子です。この遺伝子がAG型GG型の場合、肺がん(扁平上皮がん)の遺伝的リスクが低い傾向にあると報告されています。 |
MIPEP | MIPEP遺伝子はタンパク質分解酵素の一種を産生する遺伝子であり、細胞核にコードされた遺伝子から産生された一部のタンパク質をミトコンドリアへ移動させるのに関わっています。この遺伝子がTC型CC型の場合、肺がん(扁平上皮がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
MTMR3 | MTMR3遺伝子は細胞内シグナル伝達に必要とされるリン脂質やタンパク質の脱リン酸化活性を有する酵素を産生する遺伝子で、筋肉細胞の分化に関与します。この遺伝子がTT型TC型の場合、肺がん(扁平上皮がん)の遺伝的リスクが高い傾向にあると報告されています。 |
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