Haplo Group【N9】


■N9グループ関連民族:「北海道先住民 アイヌ民族」

民族
日本とロシアにまたがる北方先住民族で、日本では主に北海道で生活しています。
元はアイヌ語を主言語としており北海道には地名に彼らの言葉の名残が残されている場所が多く存在しています。また、あまり知られていませんが、「ラッコ」「シシャモ」「トナカイ」もアイヌ語が語源となっています。
アイヌとはアイヌ語で「人」を意味します。先住民族の呼称に「人」を表す言葉を用いる例は多くあり、彼らもそのうちの1つだと言えます。
近年の研究ではコミュニティの中で4つの階層に分かれて生活していたとされ、カモイ(首長)、1つ下の階層のニシパ、平民、最下級で隷属扱いだったウタレと言います。 彼らは統一政権を組織したことが無く、各コミュニティで階級別に統制された暮らしを送っていたと考えられています。


文化
アイヌの人々は「コタン」と呼ばれる村に住んでいました。食糧に恵まれ、災害に合いにくい場所を選んでいたとされています。 コタンには多い場合は十数軒の家屋が建ち並んでいました。
アイヌの家屋は「チセ」と呼ばれ、木の骨組みに茅葺(かやぶき)の屋根と壁で造られていました。

民族衣装は普段着と儀式用の2つがあり、主に普段着は「アットゥシ」という樹皮で作った服を、儀式には「ルウンペ」という木綿で作った服を着ていました。
アイヌの民族衣装は伝統的な刺繍があしらわれているのが特徴です。 その他、鉢巻きや手甲などを身に付けており、一般的にアイヌ民族に抱かれるイメージはこの衣装の姿が多いです。


信仰
動物、植物、道具類、天災、病に至るまで、アイヌの人々は全てのものに命が宿ると考えていました。これらは全て神の世界から、自分たちの世界に遣わされたと信じていました。
彼らはこれらの神々に祈りを捧げ、様々な事象を受け入れることで、自然と共存してきた民族なのです。


芸能
アイヌの人々は踊りを大切にしていました。一族が集まったとき、儀礼、神への祈り、豊漁祭など、様々な場面で踊りを披露する文化がありました。踊りは主に女性中心のものが多く、男性だけの踊りは少ないです。
音楽は伝統楽器「口琴」、「トンコリ」を使って演奏されました。口琴は薄い板の舌部分をくり抜いて、紐を結び引っ張る力の強弱で音を変える楽器で、台湾や北方圏の先住民にも演奏する民族がいます。 トンコリは一本木をくり抜いて作る琴状の楽器です。彼らはこれらの楽器を用い、踊りと共に多くの祈りを捧げていました。

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