Haplo Group【D】


■Dグループ関連民族:「氷雪地帯の先住民族 イヌイット」

民族
「イヌイット」は、北方民族のうち最大数を占めているカナダのバフィン島やグリーンランド方面に住む集団です。彼らは極寒の厳しい自然と共存してきた民族として有名です。
「イヌイット」とは彼らの固有言語のイヌクティトゥット語で「人」を意味する Inuk の複数形、「人々」という意味になります。


文化
彼らは古くから優秀な狩猟民族としても知られており、アザラシやクジラなどの海洋生物やカリブーなどを獲物にしています。
現在ではライフル銃を使用しているものの、昔は銛を唯一の武器とし果敢に、時には吹雪の中をじっと耐え忍びながら極寒の不毛の地で生き抜いてきました。 その姿は動物の毛皮で作った防寒性に優れた衣服を着ているイメージが代表的です。

食については健康との関連性についても注目されています。
肉食が中心の高コレステロールの食生活で、イヌイットは世界的にも心臓病にかかる割合が低く、高血圧の人も少ないそうです。 これは彼らが主食とするアザラシなどにEPA(エコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)という血液の流れを良くする成分が豊富に含まれているためです。
先人達の知恵が優れていたことを物語っています。


信仰
イヌイット達は古くはシャーマニズムを信仰、超自然的な力を崇めていました。
天候、食物、病気など様々なものに祈りをささげ、厳しい自然と共存してきました。病気や死についても魂の喪失として考えていました。


日本人とのかかわり
同じモンゴロイドと呼ばれる人種です。その証拠の1つとして子供の時に蒙古斑が現れるという特徴があります。
太古の昔、モンゴロイド大移動という移住が始まりました。紀元前2万4,000年頃に現在のアラスカ地域に 古モンゴロイドと呼ばれる人々が最初に定住し始めたのです。 この古モンゴロイドは日本の縄文人と同じ祖先であると考えられています。

その後紀元前8,000年頃からは新モンゴロイドと呼ばれる人々がアラスカに上陸しました。 紀元前2,000年頃には北極海沿岸まで拡がり定着したと考えられています。 この新モンゴロイドは日本の弥生人だと考えられているので、日本との繋がりを感じます。

また、食生活でもクジラを食べる珍しい文化を持つ特徴があり、日本人とイヌイットは共通していると言えます。

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